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大学入試の基礎知識

変化をチャンスに!現役合格の正攻法
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2021年度入試を振り返る

大学入学共通テストの導入や新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、2021 年度入試は1 人あたりの出願校数の絞り込みが目立ちました。
しかし、どんな状況でもベストを尽くすことがいかに大切か、先輩たちが証明しています。
改革が一段落した2022 年度は、培った実力を存分に発揮できる入試となるでしょう。

大学入学共通テストの新傾向をチェック

 高校で学んだ学力を現実的な課題にどのように活用するかが問われた大学入学共通テスト(以下、共通テスト)。主要教科を中心に2021年度の傾向を見ておきましょう。
 国語では、センター試験の出題傾向を踏まえつつ、複数の文章や資料を関連づけながら応用的な思考力を問う設問が、すべての大問で見られました。例えば第1問の、「ノート」による学習の過程を想定した出題などです。数学Ⅰ・A では、「数と式」「場合の数と確率」で会話形式の問題が、「2次関数」で陸上競技のストライドとピッチを題材とした問題が、数Ⅱ・B では、関数の性質やグラフの特徴を考察する問題、会話形式の問題が出題されました。日常事象を題材にした問題では問題文の量が多くなっています。英語(リーディング)では、大問すべて読解問題の新形式に変わり、日常的なものから意見文や叙述文までさまざまな題材が扱われました。英語(リスニング)では、音声情報と図表などの視覚情報を組み合わせて答える問題が増加。日本語で設問の状況を与えられるなど、各場面や目的に応じた聞き取りを要する実践的な英語力が問われました。大問数が増加し、第3問以降は流れる音声の回数が1回のみになっています。さらに地歴・公民では多様な資料の読解、理科では身近なテーマや実験をもとにした考察が求められるなど、全般的に共通テストの狙いに合わせた出題が見られました。
 このように、出題形式に新しい試みが見られましたが、必要な知識は必ずしも高度なものではなく、前年度のセンター試験に比べて大半の科目で平均点がアップしました。やはり、知識の活用が狙いのため、問題文・資料・グラフ・表などの情報量が多くなり、これらを正確かつ効率的に読み解くトレーニングが必要になるでしょう。
 しかし、基礎学力・知識が土台になるのは言うまでもありませんから、センター試験の過去問などを用いて対策をすることは役立ちます。共通テストにおいてもセンター試験を引き継ぐ形式の出題も見られました。そのうえで、多様なタイプの問題に慣れておきましょう。

共通テスト・国公立大・私立大ともに志願者減少
受験生に対するさまざまな配慮も

 2021 年度と2020 年度とを比較すると、共通テストの確定志願者数は4.0%、国公立大一般選抜志願者数は3.2%減少しました。私立大一般選抜志願者数も14%程度の減少が見込まれています。共通テストの導入や新型コロナウイルス感染症への不安がこの動向に影響したことは確かです。出願に慎重となり志望校や併願校の絞り込みが進んだことや、既卒受験生が共通テストを避けて前年度に進路を決めたため減少したことなどが考えられます。移動の自粛のため、遠方への出願を断念せざるを得なかった受験生もありました。
 一方で、新型コロナウイルス感染拡大に対し、共通テストや各大学の個別試験において、さまざまな対応が行われました。例えば、個別試験における追試験の実施や振替受験を認めることなどによる受験機会の追加、科目・出題範囲等の変更、選抜方法の変更(共通テストの成績や小論文・調査書等による評価、面接の中止やオンラインによる実施)などです。文部科学省も、受験機会の確保に加え、学習進度にばらつきが生じたため、個別試験での出題範囲等の工夫も強く要請しました。
今後再び感染拡大が懸念される状況になったとしても、前年度同様に受験生の不利にならないような配慮が行われると考えられます。安心して受験に取り組んでください。同時に、これまでの入学者選抜要項や学生募集要項による情報収集に加えて、大学がホームページで発信する情報のチェックも頻繁に行っておくことが必要です。
 2021年度入試は予想できない状況の中で混乱が生じたことは事実ですが、入試の大きな改革のない2022年度は受験生が積極的にチャレンジできる環境と言えます。2年目を迎える共通テストは狙いに沿った出題へいっそう進化していくことが予想されます。受験までに与えられた時間は誰でも同じです。どのような状況であっても、ブレずにやるべき準備を計画的に実行していきましょう。

昨年1年間を先輩たちはどのように過ごしたか? 勉強や生活の様子を聞いてみました。

千葉大学 法政経学部 合格 K.M さん

受験勉強で特に工夫したこと

学校一斉臨時休業期間中は駿台で提供されたatama +(AI 教材)をよく利用していました。英語の文法など、基礎に不安があったので、AI 教材を使うことによって基本的なところからやり直すことができ、学力の向上につながったと思います。また、高校の学習をカバーするため、自分でできる社会の暗記に力を入れました。

生活習慣やモチベーションを保つために

かなり緊張をするタイプだったので共通テストや序盤の私立大では、自分の力を存分に生かすことができませんでした。そのため、中盤以降は前日早めに寝るようにしたり当日母親に途中まで同伴してもらったりして、気持ちをうまくリラックスさせる方法を模索していました。

高校生へのエール

コロナの影響が続いたとしても、みんなが満足のいく勉強ができていないだろうと楽観してはいけません。ライバルは学校一斉臨時休業期間もうまく使って着実に力を伸ばしています。どんな状況に陥っても先生のアドバイスに従って勉強だけはきちんとやっておくことが大切だと思います。そして、最後まで諦めずやりきってください!

筑波大学 理工学群 社会工学類 合格 R.N さん

受験勉強で特に工夫したこと

日ごと週ごと月ごとに勉強の目標を設けて、最低でも月単位で目標を達成できるよう意識しました。また、2時間以上あるオンライン授業はためてしまうと一気にやるのは大変なので、実際の授業と同じ時間帯に受けるようにしていました。学校の課題も出されたらすぐ取り組んで、気持ちに余裕を持てるよう意識しました。学校一斉臨時休業期間、私の場合は時間割を自由に決めることができたので、苦手科目をより重点的に勉強でき、マイナス面ばかりではなかったと思います。

生活習慣やモチベーションを保つために

モチベーションと集中力は隣り合わせだと思っていたので、気が散り始めたら勉強する場所を変えてみたり、早寝早起きを心がけたり、気分転換にランニングをしたり、眠くなったら15 分くらい仮眠をとったりして常に自分が一番集中している状態で勉強できるよう意識しました。

高校生へのエール

想像していた受験とは異なるかもしれませんが、何事においても「例年なら…だったのに」という気持ちは心にしまって、今の状況を受け入れて勉強に集中することが本当に大切です。特に、直前期は体調最優先で頑張ってください。応援しています!

明治大学 国際日本学部 合格 M.N さん

受験勉強で特に工夫したこと

映像授業の視聴をためないように心がけていました。1度ためてしまうと癖がついてしまい悪循環になるので、その日のうちには見るようにしていました。また、毎日必ずやることを決めてルーティン化し、1日の終わりにその日に勉強できたことと手が回らなかったことを整理して、次の日に何をすべきかを考えていました。

生活習慣やモチベーションを保つために

志望校を決めかねている状況で、オープンキャンパスが中止になったことは残念でした。しかし、志望校のホームページやオンラインで行われた大学説明会の映像などを見て入学したいという気持ちを高めました。また、試験当日や合格発表日の情景をイメージして気を引き締めていました。

高校生へのエール

間違えることを恐れる必要はありません。「今間違えておいてラッキーだった。これが入試に出たら今後は絶対に解ける!」と思えるくらい復習するのが良いと思います。先生方、友達、親など周囲には応援してくれている人がたくさんいると思います。感謝の気持ちを忘れず、最終的に祝福され、なおかつ自分自身にも誇れる結果となることを祈っています。

東京理科大学 理工学部 数学科 合格 Y.S さん

受験勉強で特に工夫したこと

私は一人で勉強をしようとすると気が緩んでしまうことがあったので、友達とZOOM(オンラインビデオ会議システム)を活用して一日中一緒に勉強しました。そうすることで、携帯を触ることが少なくなり、時間を有効に使うことができました。また、たまに軽い雑談をしてリフレッシュすることもできます。わからなくなったときはmanabo(スマホ家庭教師アプリ)を使っていました。わからない時にすぐに聞けるので、疑問を先延ばしにすることがなくなりました。

生活習慣やモチベーションを保つために

担任の先生に、学年で使っているアプリを通じて毎日勉強時間を報告していました。いい報告をしようと思うと、自然に頑張れるようになります。また、毎回励ましの言葉を返信してくださったのでモチベーションを保つことができました。

高校生へのエール

一人で乗り越えようとせず、周りの人たちを頼ることが大事だと思います。駿台や学校から、オンライン授業以外にもmanabo などさまざまなサービスが提供されたので、余すことなく活用しました。自分だけでなく周りも環境変化に戸惑っているはずなので、焦らず、順応しようとしてみてください。

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⇒大学入試の基礎知識:入試制度編


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