駿台ADVANCE

大学入試の基礎知識

変化をチャンスに!現役合格の正攻法
Advice

不安に打ち勝つ!
現役合格の正攻法

受験は「計画」「実行」「検証」「改善」のプロセスを継続的に進めていくことです。
第一志望合格を目標に、自分の課題を見極め、有効な対策を考え、計画的に実行します。
日常の学習や生活の場面で思考力・判断力・表現力を実践する絶好の機会とも言えるでしょう。
受験や進路選択では、「正攻法」に勝る戦略はありません。

自分の考え方や学習・生活スタイルをチェックしてみよう

学習習慣を確立する

 コロナ禍により通学や外出が制限された期間でも、先輩たちはオンライン授業や課題に計画的に取り組んだり、学習アプリを活用して基礎固めや苦手科目克服を試みたり、さまざまな工夫をしながら学習を進めてきました。高1・2生の中にはオンラインの英会話レッスンや興味のある講演などに参加した人もいるようです。どのような状況に置かれても、学習習慣を確立すること、自己管理しながら目標に取り組むことが大切です。具体的には、起床・学習・息抜き・就寝などの生活リズムを毎日なるべく決まった時間に行うようにルーティン化すること、漠然とした大きな目標を立てるのではなく、月単位・週単位・日単位でやるべきことを明確にした計画を立てることなどがよいでしょう。「…だからできなかった」とやらない理由をつくらないことです。

基礎を確実に固める

 高3生は志望校に合わせた対策もこれから必要になりますが、もちろん基礎を習得していることが前提です。
国・数・英の主要教科の学習を徹底するとともに、苦手科目をつくらない早めの克服を心掛けましょう。それは、高1・2年生も同じです。
 例えば、東京大のアドミッションポリシーによれば、期待される学生像の記載の一部に「入学試験の得点だけを意識した、視野の狭い受験勉強のみに意を注ぐ人よりも、学校の授業の内外で、自らの興味・関心を生かして幅広く学び、その過程で見出されるに違いない諸問題を関連づける広い視野、あるいは自らの問題意識を掘り下げて追究するための深い洞察力を真剣に獲得しようとする人を東京大学は歓迎します」とあります。これを読んでも「正攻法(あたりまえ)の大切さ」がわかるでしょう。

「伸び」を信じる

 スポーツ競技で「ここまでで満足」と限界を決めてしまうと記録やタイムはそれ以上伸びないものです。ですから、アスリートは高めの目標を設定し自分に負荷をかけてトレーニングに励んでいます。これは勉強も同じで、志望校や入試科目を妥協して選ぶことは学力向上の機会も逸してしまうことにもなりかねないのです。現役生は本番直前まで学力が伸びることは多くの先輩たちも実感しています。
 模試はオンラインでの受験機会が拡大し、いっそう活用しやすくなりました。偏差値や評価だけに一喜一憂するのではなく、実力を確認するためや、弱点を見つけるために役立ててください。模試の直後、答案返却時、しばらく経ってからと最低3回は復習することで実力が定着します。受けたままにせず、その後の伸びにつなげることを意識しましょう。

情報に左右されない

 インターネットをはじめとしてさまざまな入試情報が発信されています。気をつけたいのは、これらの情報に左右されて、志望校の選択や勉強方法などで自分を見失って正しい判断ができなくなってしまうことです。インターネットの情報はすべてが必ずしも自分に当てはまるとは限りません。それよりも、生徒や受験生をよく知っている高校の先生方や駿台の進路アドバイザーに相談するほうが的確なアドバイスをもらうことができるでしょう。
 また、自分一人の考えややり方だけで学習や進路選択を進めることはリスクがあります。入試は本番になれば一人だけの戦いですが、受験勉強の過程では仲間と勉強を教え合ったり、励まし合ったりすることが刺激になります。家族による協力や応援も欠かせません。助言や支援を素直に受け入れ、感謝の気持ちを大切に受験に臨んでいきましょう。

学ぶ目的を明確にする

 大学・学部は、将来やりたいことや学んでいきたいことがあって、それを実現するために適した志望先を選ぶというアプローチが基本です。さらに、カリキュラムや専門分野の教員・研究実績・施設設備などを比較して絞り込んでいきます。
 しかし、高校生の皆さんから「やりたいことが見つからない」という声をよく聞きます。やりたいことは自分の興味・関心から考えることも方法ですが、社会で起きているさまざまな問題がヒントになることがあります。世の中の問題の中で自分が解決に取り組んでみたいことは何か考えてみるのです。今の大学入試や大学の勉強では、知識を実社会で役立てる力が問われていますから、こうした発想法は有効でしょう。やはり、将来の目標を持って受験に臨むことが最も高いモチベーションになります。

納得のいく志望校を選ぶ

 大学合格はゴールではなく、その後の学習・研究・職業の出発点です。最近の大学入試は受験生の「安全」志向が強まる傾向があり、共通テストの開始や新型コロナウイルス感染症の影響でいっそう顕著になりました。高校生の皆さんの不安な気持ちはよくわかります。しかし、自分の選択が本当に将来の可能性を伸ばすことにつながるか、長期的な視点で考えてほしいのです。入学後に自分の理想との違いを感じて再受験に挑む学生もあり、とても残念に思います。不安から入りやすい志望校に変えても、他の受験生も同じように行動しますから、結果的に競争は変わらず、むしろ難化することもあります。
 やはり第一志望を軸にした受験勉強を進めるべきでしょう。学習・研究環境が充実した難関大や国公立大は、可能性を広げる魅力的な志望先と言えます。

合格後をイメージする

 皆さんは大学生活にどのような期待を抱いているでしょうか? 好奇心を満たす専門分野の研究、教員・学生・学外の人々との多くの出会い、授業以外の活動、留学や海外体験など夢はさまざまでしょう。もちろん大学は皆さんの期待に応える仕組みやプログラムを用意しています。しかし、残念ながら今は新型コロナウイルス感染症の影響により制約のある大学生活を余儀なくされています。
 学生たちから不安の声が挙がった一方で、この状況をプラスに転じた例も多く見られます。オンライン授業では、学生のレポートの質が上がった、学生からの質問やコミュニケーションが増えた、授業動画を何度も見直すことができるので理解が深まったなどの好評価も得ています。とらえ方によって、困難な状況をチャンスに変えることができるのです。  例えば、オンラインを活用すれば、海外の大学の講義に触れたり、遠く離れた人々と議論したりすることが容易になります。大学の学びのスタイルが進化し、可能性がいっそう広がることでしょう。社会に目を転じれば、オンラインによる就職活動やテレワークなどが普及し、仕事の探し方や働き方がもっと柔軟になっていくと思われます。  今までの高校生活と比べて、挑戦や成長のチャンスが増えることは間違いありません。そのことを楽しみに受験勉強に励んでください。

悩みや不安の“ もと” はなにか?

 「気は持ちよう」という言葉があります。心の持ち方次第で、同じことが楽しく感じられたりつらく感じられたりするという意味です。
 失敗やミスは誰にでもあります。そのとき、「失敗した」→「やっぱりだめなんだ」と「落ち込む」人もいますし、「失敗」→「次こそ頑張ろう」と「奮起する」人もいます。つまり、原因となる事実は同じであっても、その解釈によって反応が変わってくるのです。簡単に割り切ることは難しいですが、ネガティブな気持ちに引きずられてしまうのはとてももったいないでしょう。思い込みや偏ったとらえ方は禁物です。入試を取り巻く環境の変化も、「状況はみんな同じ」「みんなも頑張っている」と考えると、気持ちが変わってくると思います。
 「できたこと」にも目を向けて、自分に自信を持って受験に取り組んでいきましょう。

⇒2021年度入試結果と2022年度入試について


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