駿台ADVANCE

将来を描く

自分の力で切り拓く!
夢を実現する正攻法
Lecture

スペシャリストをめざす正攻法
「資格・免許と活かし方を知る」

明確な目標を持っている人は、その実現に向けて、大学入学後準備を始めましょう。
資格・免許はスペシャリストの証明となると同時に、取得までの努力はアピールになります。
高い専門性を活かして社会に貢献できるのが、スペシャリストの仕事の魅力です。

資格・免許をめざすキャリアプラン

資格・免許の位置付けと大学のサポート

 資格は、国家資格(国の法律に基づいて実施されるもの)と民間資格(民間団体や企業等により実施されるもの)などに大別されます。国家資格は、さらに「業務独占資格」(医師、弁護士、公認会計士のように、有資格者以外が携わることを禁じられている業務を独占的に行うことができる資格)、「名称独占資格」(栄養士、保育士など、有資格者以外はその名称を名乗ることを認められていない資格)、「設置義務資格」(学芸員など、特定の事業を行う際に法律で設置が義務づけられている資格)などがあります。
 大学では、専攻する学部で資格取得のための課程や講座が設けられているほか、キャリアセンターなどが対策講座を実施しています。これらを活用しながら自主性を発揮し学習を進めることが必要です。

情熱と使命感で教員・公務員をめざす

 幼稚園、小学校、中学校、高等学校の教員は原則として学校の種類ごと(中学校または高等学校は学校の種類及び教科ごと)の教員免許状が必要です。教員の仕事の負担が敬遠され、 志望者は減少傾向が続いていますが、ICT(情報通信技術)の推進など教育の内容や質は大きく変わろうとしており、時代を担う意欲的な人材がますます求められています。
 教員になるには、教員免許状を取得することと、公立学校は都道府県や政令指定都市の教育委員会が実施する教員採用試験に、私立学校は学校法人等の採用試験等に合格し採用されることが必要です。
 公務員は国家公務員と地方公務員に大きく分かれます。国家公務員試験や地方自治体の職員採用試験のための講座も大学で実施されています。

貢献性の高い医療系国家資格

 コロナ禍の不安が続く中、医療関係者の献身的な仕事によって私たちの安心が支えられています。国家資格(業務独占資格)の代表が医師・看護師です。
 医師・歯科医師は、医学部医学科、歯学部歯学科等で学び、所定の課程を経て、国家試験に合格することで免許を取得できます。その後いわゆる研修医として2年以上(歯科医師は1年以上)、臨床研修が義務づけられています。研修先の病院は、希望等を考慮して医師臨床研修マッチングという仕組みによって決定します。その際には病院見学や説明会に参加して情報収集を行います。
 看護師は看護学科等で学び、国家試験合格により免許が付与されます。さらに看護系大学院修士課程で学び、専門看護師をめざすことができます。

スキルや知識の証明となるさまざまな資格

 このほか、技能検定は働くうえで身につける、または必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定制度で、試験に合格すると合格証書が交付され、「技能士」と名乗ることができます。ファイナンシャル・プランニングなど全部で130職種あります。民間資格のうちビジネス系では、秘書検定、日商簿記検定、実用英語技能検定、TOEIC®、TOEFL®、マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)などがよく知られています。
 仕事で必要となる資格・免許は、取得者に手当が支払われたり、昇進の条件になっていたりする場合があります。学生でも取得できるものがありますが、合格はスタートラインであり、実務経験を積みプロとして信頼を築いていくことが必要です。

COLUMN

大学院への進学

 大学院進学も将来の選択肢の一つです。特に理系の研究者をめざすには大学院進学が望ましいでしょう。文系の経営学修士(MBA)などもキャリアアップに有利です。このほか、経済、財務・金融、公共政策、国際関係、医療・福祉など、社会問題や仕事に直結するテーマを社会に出てから大学院で学ぶ人も多くなっています。

社会に貢献するスペシャリスト

※本文中の修業年限は大学の場合です

法曹

 弁護士、裁判官、検察官を総称して法曹と言い、法律の専門家を代表する仕事です。法科大学院課程(法学既修者=2年、法学未修者=3年)を修了して、司法試験を受験するのが一般的なルートとなっています。合格者は司法修習生として研修を受けた後、法曹資格を得ることができます。

薬剤師

 薬剤師は、病院や薬局などで薬の調合や服薬指導、管理などを行います。薬剤師養成課程(6年制)卒業により国家試験受験資格が得られ、合格者に免許が与えられます。このほかドラッグストアなどで接客を担当する登録販売者は一般用医薬品(第2・3類。風邪薬・胃腸薬など)が販売できる資格です。

公認会計士・税理士

 会計・税務の専門家として経営のコンサルティングなどにも携わります。公認会計士の仕事の中心は会計監査と呼ばれ、企業の財務諸表を公正な立場でチェックし、適正であることを証明します。税理士は企業や個人の納税を円滑に行うための書類作成などを代行するほか税務相談などに対応します。

栄養士・管理栄養士

 栄養士は病院や学校などで、栄養に関する指導・助言や食事の管理などを行います。厚生労働大臣が指定する養成施設を卒業することで取得可能です。管理栄養士はさらに高度な栄養指導や管理を行う仕事で、管理栄養士養成課程(4年制)を卒業すると実務経験不要で国家資格受験資格が得られます。

司法書士・行政書士

 法律の身近な専門家として司法書士・行書書士は活躍しています。依頼を受けて書類作成や手続を代行する点は同じですが、司法書士は司法(裁判所や法務局など)、行政書士は官公署(各省庁や都道府県庁、市・区役所など)に関わる業務を行うなどの違いがあります。いずれも独立開業が可能です。

臨床検査技師

 医師の指示のもとに診療に必要な検査を行う仕事です。病院をはじめとして病床を持たない小規模のクリニック、健診(検診)センター、臨床検査センター、医療関係の研究施設、臨床研究コーディネーターなど幅広い活躍の場があります。臨床検査技師養成課程(4年制)を卒業すると国家資格受験資格が得られます。

弁理士

 知的財産に関する専門家が弁理士です。特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの知的財産権を取得したい人のために特許庁への手続を代理で行ったり、知的財産権に関する相談やトラブルに対応したりします。特許事務所や弁護士事務所をはじめ、企業の知財部などが活躍の場となります。

公認心理師・臨床心理士

 職場や学校などで心の問題がますます重視されています。臨床心理士は心理カウンセラーの代表的な資格で、日本臨床心理士資格認定協会が認定するものです。この資格をめざすには、指定の大学院を修了することが原則です。このほか、公認心理師をめざす場合も大学院進学が一般的です。

社会福祉士

 社会福祉士は身体上・精神上の障害があること、または環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある人の福祉に関する相談に応じ、助言や援助する仕事です。医療機関や福祉施設、行政などが活躍の場になります。社会福祉士の国家資格はソーシャルワーカーなどをめざす場合に有利です。

建築士

 一般住宅からマンション、ビル、大型商業施設まで、建築物の設計、工事監理などに携わります。建築士には一級、二級、木造の区分があり、それぞれ業務の範囲が異なります。建築系学科と土木系学科で受験資格が異なりますので注意が必要です。一級は実務経験を経て受験することになります。

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